・港
本土と島を繋ぐ唯一の出入り口。
物資の運搬は定期的に行われているが、観光客が訪れることはまずない。
・市街地
港に近いところに位置する町。
病院や主な商業施設が集中しており、商店街を一周すれば生活必需品は全て揃えることが可能。
特に米花雑貨店の品揃えには定評あり。
・駐在所
島唯一の駐在所。
不審人物として注目されている主人公は幾度となく世話になることになる。
・森須診療所
島唯一の病院。
耳の遠い高齢の医者と若い看護婦が切り盛りしている。
・浦島神社
島の中央付近に位置する神社。
御三家の一つ“伽藍堂家”が管理している。
現在では訪れる人も少なくなり閑散としている。
裏手の林には何故か、大きな釘が何本も刺さった木が散見される。
・甘味屋「竜宮」
浦島の小高い丘の上にある甘味屋。
島人にとって憩いの場。
名物は超大盛りかき氷、通称「鬼盛り」。
・本土
浦島から遠く離れた本土。
島から船で数時間の場所に位置する、とされているが……??
・浦島(うらしま)
本土から南東方向に位置する孤島。
温暖な気候で熱帯植物などが群生している、のどかな田舎。
豊かな自然と水産資源を持っており、観光地として発展していてもおかしくないのだが、さまざまな事情により衰退の一途を辿っている。
・浦島御三家(うらしまごさんけ)
古来より浦島を統率してきた御原家、伽藍堂家、枢都家の三つの家の総称。
現在では、御原家と伽藍堂家は権力を失い、枢都家が町長として島を取り仕切っている。
・煤紋病(ばいもんびょう)
この島特有の風土病。
皮膚が炭のように黒く爛れ、ミイラのような見るに堪えない外見を呈す。
太陽の光に当たると進行速度が増すことが知られている。
この病気がきっかけで迫害を受けてきたという歴史があり、島人が本土の人間を毛嫌いする要因の一つとなっている。
・神隠し(かみかくし)
近年、島人たちの間でまことしやかに囁かれている噂話。
嵐により島人が行方不明になったことがあったのが噂話の由来だと考えられているが、良識のある大人ですら、この噂話にあまり触れたがらない。
・暴龍島(ぼうりゅうじま)
噂話に登場する、存在しないはずの島。
“魔女の棲む島”と呼ばれることも。
元々は島の伝承に登場する地名だったのではないかという説もある。
・伝承(でんしょう)
遥か昔から島に伝わる神話。
御三家の名前がそれぞれ登場するお話。
口伝の過程でさまざまなバリエーションが生まれ、現在では原型はほとんど残っていないとされている。
・海上ステーション(かいじょうすてーしょん)
浦島の沖合に浮かぶ世界最大の海上ステーション。
かつて本土から来た海洋調査チームにより建造された。
今から五年前、急遽チームの引き上げが決定されて以来、放置されてきた。
現在は、取り壊し作業が進行中。
・時空震(じくうしん)
宇宙そのものが超光速で振動する現象。別名、時間膨張波(Time dilation wave)。
相対性理論によれば、物体の移動速度が光速に近づくほどその物体に流れる時間は遅くなるため、時空震により光速を越えて振動することで、宇宙そのものの時間が逆方向に進み始める。
もっとも、全世界の時間が同じように巻き戻るので、誰も時空震の発生に気付くことはできない。
時空震キャンセラー(Time dilation wave Antiphase Generator)を用いて巻き戻りの影響を回避すれば、過去へのタイムトラベルが可能となる。
ただし、現在の所あくまで机上の空論である。