高い塀と森に囲まれたミッションスクール、聖アングレカム学院。
美しい少女たちが集う閉ざされた学院に、心に傷を持つ少女、白羽蘇芳が入学する。
とある事情から内にこもり家族以外の者と触れ合ったことのない彼女は、擬似的に“友人”を作らせ学院での全てを共にさせる“アミティエ”と呼ばれる試みを行う学院に惹かれたのだ。

学院からあてがわれた仮初めの友、彼女らへ向けられる仄かな恋心。
緩やかに流れる学院生活の中で起こる、学院生徒の不自然な消失……。
少女たちは学院の中で何を見、何を掴むのだろうか──。
*聖アングレカム学院
三年制のミッション系女学院。
一クラスに一人、クラス委員長(級長)が設けられクラスを取りまとめる。
生徒会に準ずるものとして“ニカイアの会”という生徒会組織があり、一年生、二年生から優秀な生徒が選ばれる(三年生は引き継ぎ終了とし、ニカイアの会は卒業する)。
ニカイアの会の生徒は学院で行われる年間行事を取りまとめるのが主な活動。
代表的なものは“聖母祭”だが、他にも“新入生オリエンテーション”“健康診断”“フィールドワーク(遠足)”“宗教講演会”“合唱会”“礼拝”などを教師と共に執り行う。
*アミティエ制度
未来を担う女性の育成を目指し、実践的なコミュニケーション能力取得の為に作られた教育システム。
入学時に面接、筆記試験が行われ強制的にその者にもっとも適したアミティエ(疑似友人)をあてがわれるというもの。
これは全寮制という性格上、学院側から親しい者を作らせ生活に馴染ませるという理由と、卒業時に広くコミュニケーションが取れる人物を育てるという二つの理由からである。
昨年までは“アミティエ”は二人一組であったが、今年度から三人一組となった。